媒介契約制度とは

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媒介契約制度とは(売るとき)

一般的に不動産の売却をする場合、自分ではなかなか買い手を探すことは難しいため、不動産会社に仲介(媒介)を依頼することになります。この媒介にあたり、依頼者の保護、取引の安全及び流通の円滑化を 図るため、媒介契約の書面化が義務付けられています。不動産会社は、媒介契約を締結する際には、依頼者に「専属専任媒介契約」、「専任媒介契約」、「一般媒介契約」の相違点を十分に説明し、依頼者の意思を十分確認した上で、媒介契約を締結し、直ちに媒介契約書面を交付することになっています。

専属専任媒介契約又は専任媒介契約を締結した物件については、不動産会社は指定流通機構(近畿レインズ等)に登録し、積極的に取引の相手を探すことが義務付けられています。

※文中やイラスト、図表内で表現する「不動産会社」は「宅地建物取引業者」のことです。

媒介契約は3種類の契約形態があります

  • ■専属専任媒介契約

    依頼者が他の不動産会社に重ねて媒介を依頼することができない契約です。
    また依頼者が自ら見つけた相手方と売買することもできません。
    指定流通機構(近畿レインズ)には、媒介契約締結の翌日から5日以内に登録されます。
  • ■専任媒介契約

    依頼者が他の不動産会社に重ねて媒介を依頼することができない契約です。
    ただし、依頼者が自ら見つけた相手方と売買することはできます。
    指定流通機構(近畿レインズ)には、媒介契約締結の翌日から7日以内に登録されます。
  • ■一般媒介契約

    依頼者が他の不動産会社に重ねて媒介を依頼することができる契約です。
    また依頼者が自ら見つけた相手方と売買することもできます。
    指定流通機構(近畿レインズ)への登録は任意で行えます。

売却の検討から、媒介契約締結、レインズ登録までの流れ

各媒介契約の比較

区分 専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
依頼者のメリット ・不動産会社は積極的に売却活動を行います。
・レインズに登録され多くの不動産会社へ情報発信されます。
・販売の窓口が1社のため、様々な情報が集まります。
多くの不動産会社に販売活動を依頼できます。
依頼者のデメリット ・販売の依頼先が限定される
・契約期間内は他の不動産会社に依頼できない
・自分で見つけた買主と取引できない(専属専任の場合)
 ※自ら発見した相手と取引成立すると、報酬相当額を請求されます。
・依頼窓口や情報が分散する
・活動状況が報告されない
不動産会社に特別に依頼した広告の料金や遠隔地への出張料旅費は実費を負担します。
標準媒介契約書 国土交通省が作成した「標準媒介契約約款」(すべて)
専属専任媒介契約約款 専任媒介契約約款 一般媒介契約約款
標準媒介契約約款による
有効期限
3ヶ月以内 法令上の制限はありません。
(ただし、行政の指導は3ヶ月以内)
媒介契約の更新 ・媒介契約の有効期間は、依頼者(売主)と不動産会社の合意に基づき、更新することができます。
・有効期間の更新をしようとするときは、有効期間の満了に際して依頼者から不動産会社に対して文章でその旨を申し出ます。
・有効期間の更新に当たり、依頼者と不動産会社の間で媒介契約の内容について別段の合意がなされなかったとき(売り出し価格がそのまま等)は、従前の契約と同一内容の契約が成立したものとみなします。

■売主の義務

他の不動産会社への依頼 ×
重ねて依頼することができません
(1社にだけしか依頼できない)

重ねて依頼する
ことができます
自己発見取引
(自ら見つけた
相手方との取引)
×
認められない

※約定報酬相当額を
請求されます


認められる

※一般媒介契約を締結した
他の不動産会社に対して通知義務があります

■不動産会社の義務

成約に向けての義務 積極的に取引の相手を探すことが義務付けられています。  
指定流通機構への登録 媒介契約締結の翌日から5日(※)以内に登録義務有り

※当日および不動産会社の休業日を含みません

媒介契約締結の翌日から7日(※)以内に登録義務有り

※当日および不動産会社の休業日を含みません

任意での登録は可能 (依頼者の同意を得た上で積極的にレインズへ登録します)
登録証明書の交付 遅滞なく、指定流通機構が発行した登録証明書を依頼者に交付しなければなりません  
登録証明書のサンプル
業務処理状況の報告義務 1週間に1回以上 文書又は電子メールによる報告 2週間に1回以上 文書又は電子メールによる報告 法令上の義務はありません
(任意で報告を求めることは可能です)
成約したときの通知義務 売買の契約が成立したときは、遅滞なく
指定流通機構(近畿レインズ)へ通知(成約登録)
しなければなりません
 
直接取引 契約の有効期間の満了後2年以内に依頼者(売主)が依頼を受けた不動産会社を排除して、 その会社から紹介を受けた相手方(買主)と直接取引した場合には、不動産会社は依頼者に対し、不動産会社が取引の成立に寄与した割合に応じた相当額の報酬を請求することができます。
他の不動産会社
によって成約した場合
契約の有効期間内に依頼者が他の不動産会社の媒介によって取引を成立させたときは、約定報酬額に相当する金額を違約金として請求することができます。 契約の有効期間内に依頼者が明示していない不動産会社の媒介によって取引を成立させたときは、履行のために要した費用の償還を請求することができます。
自己発見取引
(自ら見つけた
相手方との取引)
を行った場合
契約の有効期間内に自ら 発見した相手方と取引を成立させたときは、不動産会社は約定報酬額に相当する金額を請求することができます。 契約の有効期間内に自ら
発見した相手方と取引を成立させたときは、不動産会社は契約の履行のために要した費用の償還(実費)を請求することができます。
依頼者は依頼した不動産会社全てに対し、成約した旨を通知する必要があります。 依頼者がこれを怠り、不動産会社が成約を知らずに業務を行ったときは、不動産会社は業務に要した費用の請求することができます。
売主による
媒介契約の解除
(不動産会社に責任が
ない場合無責)
契約の有効期間内に不動産会社の責めに帰すことのできない事由によって契約が解除されたときは、不動産会社は契約の履行のために要した費用の償還(実費)を請求することができます。

※例:不動産会社が販売のために要した広告費など

明示型と非明示型の別があります。

一般媒介契約における「明示型」と「非明示型」

一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」の2種類があります。

一般媒介契約では複数の不動産会社に重ねて媒介を依頼できるため、契約締結時に他にどの不動産会社に媒介(売却)を依頼しているかを告知(明示)しなければなりません。これを「明示型」と言います。
一方、他の不動産会社に重ねて媒介を依頼する場合でも、一般媒介契約書の特約に、他に依頼する不動産を明示しない旨を記載することで、告知する必要がない「非明示型」があります。

区分 明示型 非明示型
概要 一般媒介契約を締結するときに、重ねて依頼する(他に依頼した)不動産会社を明示(通知)しなければなりません。

※「標準媒介契約約款」による

他の不動産会社に重ねて仲介を依頼しているのか、あるいはどんな会社に依頼しているのかを、依頼する不動産会社に明示(通知)する必要がありません。
一般媒介契約書に
記載する事項
既に依頼をしている不動産会社の商号または名称および主たる事務所の所在地を記載する。 また、契約締結後さらに他の不動産会社に依頼しようとするときは、その旨を告知する。 一般媒介契約を締結するときに、重ねて依頼する(他に依頼した)不動産会社を明示しない場合は、その旨を特約しなければならない。
明示していない不動産
会社により契約した場合
一般媒介契約の有効期間内に、依頼者が明示していない他の不動産会社に売却等の依頼をし、これによって売買または交換の契約を成立させたときは、媒介契約を締結していた不動産会社は依頼者に対して、一般媒介の契約の履行のために要した費用(※1)の償還(※2)を請求することができます。

※1 例:不動産会社が独自に行った広告費用など
※2 請求の費用は約定報酬額(仲介手数料)を超えることはできません。

 
成約したときの
売主の報告義務
売主は、媒介または交換の契約を成立させたときは、依頼した(一般媒介契約を締結した)全ての不動産会社に、どの不動産会社によって契約が成立(成約)したかを、速やかに通知しなければなりません。

※一般媒介契約を締結した他の不動産会社は、売主より成約済みの通知がない場合、継続して販売活動を行うため、既に成約済みの物件であるにもかかわらず、別の買主に紹介する可能性があります。
※売主が他の不動産会社に成約の通知を行わず、複数の買主からの条件を比較(より高い金額で売却しようとする)などした場合は、損害賠償を請求される場合があります。

不動産を買うときの媒介契約

不動産を購入したい(探している)ときに、不動産会社に買いの依頼を行う場合は、媒介契約を締結します。
上記「売却依頼時の媒介契約」では、売却する物件が特定され、不動産会社の売却活動に費用が掛かることもあり、厳密な義務や契約事項が定められています。
一方「買い依頼の媒介契約」の場合は購入の「希望する条件」や「希望の程度」を不動産会社に書面で伝えるための手段として媒介契約を締結します。

「標準媒介契約書」では依頼の内容を「購入」とし、媒介契約書に以下の内容を記入します。